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才色兼備アメリカ人講師に教えてもらっています:プレゼンと公けでの話し方(第1回~3回)

プレゼン・スキル、人前で話すスキルを磨こうと思ったことはありますか?私はKoLe SHIKOKU, Japanを始めるまで、自分のプレゼン・スキルや人前で話すスキルを磨こうと思ったことはありませんでした。しかし、KoLeの私の役割では、人にストーリーを伝えることが必要不可欠になりました。それも、欧米圏の人々に英語で。英語が話せれば、上手く人前で話せるのでしょうか?ただ闇雲に原稿を覚えれば、印象に残るプレゼンはできるのでしょうか?話を最後まで聞いてもらえるのでしょうか?

アメリカの大統領と日本の首相。会見を行うとき、スピーチをするとき、見え方、聞こえ方に大きな差があることに気づきませんか?

私の夫の母国、アメリカ合衆国では、幼いころから「SHOW &TELL」というアクティビティを学校でやらされます。自分のお気に入りの物などを学校に持って行って、クラスのみんなの前でそれを紹介するというアクティビティです。そこから始まり、折に触れて、アメリカ人はプレゼンテーションやディベートを経験していきます。

スティーブ・ジョブズが初めてiPhoneを世界へプレゼンしたときのことを覚えていますか?あんなに簡潔にしかも強いインパクトでハイレベルなプレゼン…次元が違う…と思いませんでしたか?オバマ元大統領の演説。覚えていますか?言葉は分からなくても、その言葉に計り知れない説得力を感じませんでしたか?

KoLeの仕事で海外へのプレゼンを避けては通れないと気づいた時…私はゾッとしました。「どうしよう。素養の基礎レベルに差がありすぎる…」と。ゾッとした一方で、「しっかり出来るようになれば、私が外国人ということもあいまって、武器になるのではないか」と考えました。

そんなゾッとしている間に世の中は新型コロナ。働き方、ビジネスツールが変わります。オンラインミーティングが通常化しました。美しく見せるとかそういう次元ではない「画面での見え方で印象が大きく左右される」ということに気づいて再びゾッとしました。しかし、画面での「見え方」にまだ多くの人が十分に気を配っていない(ように見える)中で、しっかり準備が出来れば、これまた…武器になるのではないか?と思ったのです。

「独学では限界だ…」と思い頼ったのが、ダブリン生活時代のお姐さん的存在、美人コーチでした。
というわけで、恥を忍んで、「こんなことを学んでいます」というお話をシェアしようと思います。

パブリック・スピーキング・コーチのマリア・テッチェ(Maria Tecce)

私のメンター。マリアは、今でも現役の歌手であり女優。今までのキャリアの中で舞台負け(ステージに上がるのが怖くなってしまい何もできなくなってしまうこと)を経験したことがありませんでした。そんなことは自分には関係ない話だと思っていたのだそうです。ところが、数年前、生まれて初めての舞台負け(stage fright)を経験。そのスランプから立ち直るために、コーチングを受けたのが、今の仕事を始めるきっかけとなったのだそう。

人前に出る緊張や恐怖を乗り越える方法や、今まで自然に身に着けてきた歌手や女優としてのスキルをコーチの下で系統立てて論理的に学びなおすことで、彼女は舞台負けを克服しました。また、自分が学んだことは誰にとっても役に立つと考え、彼女自信もコーチになることを目指したのです。

20年近く前、アイルランド共和国の首都ダブリンで私が生活していた頃、私たちは出会いました。当時、私の周りには舞台俳優や歌手が多く居て、中でも、夫がアメリカ人なこともあり、アメリカ人のエンターテイナーが多くいました。そのうちの一人が彼女です。一言で彼女を表すなら「牡丹の花」。バラでもいいのですが、彼女には棘がありません。ステージの上では圧倒的な存在感を放つ彼女ですが、普段はとっても気さくでよく笑うカッコいいお姉さん。彼女のようなカッコいい清々しい女性になりたいと憧れていました。

アイルランドを離れても、彼女とはSNSでつながっていました。ある日、彼女が「緊張の身体症状とワクワクしているときのそれはとても似ている」という切り口で、緊張との向き合い方を投稿していたのが目に留まりました。その時は「なるほどなぁ~」と思って観ていました。

様々な動画をKoLeのプロモーションのために制作していく日々の中で、「私の自己紹介動画があった方がいいかもしれない」というアドバイスをいただきました。それは至極当然なアドバイスで素直にそうしようと思った私。ところが…私…カメラが苦手なのです。ついでに言うと、機会に話しかけるのが苦手なのです。そう。留守番電話にメッセージを残すのすら苦手なのです。

…「困った」…。どうしよう。と、思った時、最初に浮かんだ顔がマリアでした。

全6回のマンツーマン・レッスン

今、この記事を書いているのはちょうど3回目を終えたタイミングです。どんなことをしているのか少しだけご紹介します(この記事を書くことは、マリアの許可を得ています)。

彼女の講座は、マナー講習ではありません。ただの発声練習やボイストレーニングだけではありません。
講座のタイトルは「Boost Your Vocal Presence & Present With Confidence」というタイトルです。日本語にすると…「あなたの声の存在を押し上げて自信を持って提示*しよう」…でしょうか。(*presentという動詞には、プレゼンする、提示するという言う意味と「居合わせる」という意味があります。「自信をもってその場に居る」と「自信を持ってプレゼンする」の両方の意味があると思います)

彼女の講座は受講者さんそれぞれの「自信がない」「不安」「怖い」などの根っこから掘り起こしてくれます。

#1 今どの段階にいて、どうなりたい?それはつまりどういう状態?

初めのクラスがスタートする前に、オンライン会議で、今私がぶち当たっている壁について丁寧に聞き取りをしてくれました。その内容を受けての初回レッスン。また、レッスン前に数問のアンケートに回答して提出する課題が出されていました。

私自身が感じていた大きな問題は、「カメラが嫌い」「母語ではない言語でプレゼンを行うと母語のようにはいかない」。マリアは私が自分の自己紹介動画を制作しないといけないことも知っています。

苦手だと感じていることや不安に思っていることの根っこを深く掘り下げるために、マリアからどんどん質問をされます。「〇〇についてはどうしてだと思う?」「それを3つの言葉で表現するなら何?」

「あ!」

彼女と話していく中で、思わず声をあげるほどの気づきがあったのです。私の中にあった大きな壁は、カメラでも言語でもないところにありました。「完璧(を目指そうとする)主義」。そして次の質問をマリアが私に問うまでもなく、「・・・私のプレゼンを見る人には・・・どの状態が私の求める完璧かなんて・・・知らないんだ・・・」と気づいたのです。

そしてマリア次の問いに目の前真っ白。「仮に、完璧にプレゼンが出来たら、先方からGOは必ずもらえる?」
…そう…自分の中の完璧を目指してプレゼン出来たところで、私の提案に相手がYESと言うかNOと言うかは私にはコントロールできないのです。

さらにマリアは私に問います。「じゃぁ、例えば、そのプレゼンでちょっと失敗したり、言い間違えたりしたら、相手はどう感じると思う?」

「あ!そうか!!!」

何に気づいたかは、私とマリアだけの秘密です^^。

そして、この日、今回の講座が終わるころになりたい自分、目標を設定して終了。
彼女の講座の素晴らしいところは「宿題が出ます」(笑)。最初に提出してあった動画と同じ内容の動画を撮りなおすこと。今回気づいたことを基に撮りなおして、次回までに提出します。

#2 画面を支配なさい!

提出した動画はどうなるか…。レッスンの途中で二人で観ます。そしてどんなことに気づいたか、何が良かったかなどを聴かれます。あまりダメ出しはされません。一般的なダメ出しはされませんが優しくモチベーションをそがないように上手に「次はどう変えるか」は伝えてくれます。

不思議なもので、宿題をやっている途中もそうですが、レッスン中に提出した動画を見直すと気づくことがたくさんあるのです。

2回目のこの日は、身体の使い方。自分の提出した宿題を見て気づいたことは、自分が話している時にイメージしている以上に…カタイ!カッチンコチン!目指す雰囲気とはずいぶん違います。顔が怖い。何が怖いって動画を撮っているときは「柔和な表情だ」と思って撮っているのに「怖い」のが怖い!(笑)。

まずはストレッチ。首や肩のストレッチから、顔の筋肉のほぐし方も。きっと歌を歌われる方はやられているのだと思いますが、生まれて初めて舌のストレッチをしました。とてもじゃないけどお見せできない。

ストレッチを終えて、画面での自分の見え方について考える時間がありました。どうやれば、自分が落ち着いて自信をもってその場に居るように見えるのか。自然に見えるのか。特に、このオンライン会議時代。私たちの舞台はカメラが捉えるあのフレームの中。

色々やってみて、実際どう見えるか、そのポーズをとっているとどう自分が感じるかなど丁寧に観察していきました。

マリア「画面を支配するのよ!画面を自分のものにするの!」

この日、一番頭に残った彼女の言葉でした。

身体のほぐし方を学び、画面の使い方を学んだら…次回までの宿題の話。

#3 変化球を投げる生徒もおおらかに受け止めるマリア

宿題は、その日習ったテクニックや気づきをつかって「同じ内容」を撮影すること。ところが、私。変化球を投げました。それまでの内容は既に終わっている内容で、自分の中で内容に対する愛着が消えたことに前回気づいた私。また話している内容も私の専門とはズレるので、内容がなかなか頭に入りきらない。そこで…。自分の得意とする分野、愛着のある分野について英語でプレゼンしてみたら、どうなるだろう…というのを知りたかったのです。

そこで、日本へ旅行に来て、伝統的な建物(日本家屋や寺院など)の中で過ごすときのマナー3つについて話した動画を撮りました。(靴を脱ぐ、角や敷居やへりを踏まない、畳に上がるときはスリッパも脱いで。だから日本を旅するときは、ソックスをバッグに入れておくと便利だよ…という内容)

しかし、提出後、「新しいことをやってみたのは良いことだけど、愛着の薄れた内容をやることが大事な時もあるよ」とメールが返ってきて「確かに…」と、反省した私は、もう一本、言われた通りの動画を提出しました。

この自分勝手な生徒をおおらかにそしてポジティブに受け止めてくれるマリアの包容力。涙がでます。ごめんね、これからは言われたことを言われた通りにします…。

さて…私の破天荒っぷりを怪我の巧妙にしてくれた3回目のレッスンは私の中では「神回」となりました。

マリア曰く、「今愛着を感じている内容を話している時のSATOKOと愛着が薄れた内容を話すときのSATOKOの違いが今回の実験でよくわかった。これはとても良い試みだった」(優しすぎる…(T_T))

しかし、マリアがただ単にいう事をきかない私をフォローしているのではなかったことに気づいた私。いつも通り、提出した動画を二人で観ていて…提出する前に観た時には気づかなかったことに気づきます。「この動画に映っている私…すごく自然だ…たのしそう」一方…今までの内容の方は…以前よりは上手くなっているけど…自然とはちょっと言えない。

宿題を振り返るだけでものすごい情報量なのに、今回からは「人前で話す技術」もスタートしました。

呼吸が大事というのは、色んなところで言われます。でも、実際に、試してみたことってあります?原稿を事前に渡されて、マリアの指示通りに読んでいくのですが…呼吸一つで多くの事が変わるのに驚きます。

ここからは、私の目標を達成するために、マリアが選んだ5つのテクニックを学んでいきます。

そして、3回目を終えて出された宿題は「元々の内容を日本のマナー動画と同じ熱量で話すコト」。
今回の宿題は、前回までと比べて頭を使わなくてはなりません。今回の宿題では、変化球は投げません(笑)。

答えは生徒さんの中にある。私の役割は、答えに気づく呼び水をすること。そして実感する経験を提供すること。

これは、今日、マリアが言っていた一言。彼女は講師というよりコーチです。彼女とのセッションは60分。あっという間に過ぎます。そして、セッションが終わると1時間で新しく気づいたことの多さに圧倒されます。彼女の仕事は、私たちは自分ではない誰かにすることではなく、私たち一人一人が持ってい持ち味を最大限に活かす方法を私たちが最短距離で手に入れる旅のガイドです。

自分一人で気づけるのなら、既に自分のプレゼン力や人前で話すスキルに自信を持っていることでしょう。この3回で私が感じているのは、彼女の引き出し方に私はとても救われているということ。そして、大嫌いだったはずのカメラも不思議と少しずつ嫌いではなくなってきていること。「カメラに向かって話すのが嫌だ」という気持ちよりも「もっと上手くなりたい!」「課題やりたい!」という気持ちの方が大きく上回っているのです。それは、きっとこの3回で、自分自身でも違いを宿題動画という目に見える形で確認できるからだと思っています。

毎回、彼女から感じるのは、生徒さんたちへの責任感。彼女のこの仕事に対する情熱。一人ひとりのことを思うだけでなく、しっかり、一人ひとりの変化を見てくれているのを感じます。彼女を頼ってほんとうによかった。

何も知らずにやる1000本ノック VS フォームを教わってからの1000本ノック

最初のヒアリングがあった日。私が彼女に伝えたのがこのフレーズ。何も分からないなかでただただバットを振り続けることに疲れた。そして、この先1万回バットを振ってもボールを打てる気がしない。だから、助けてほしい。と…。その時にお願いしたことも1つありました。知識だけ頭に溜まるのはいやだ。どんなにハードでもいいから実践する機会を与えてほしい。(宿題が毎回出るという形で叶えてくれています…そしてだんだんハードになってます)

便利な世の中になっていろんなもののやり方をネットで無料で見つけることができます。いろんな先生もネットで見つけることができます。けれど、質の良い「師」を見つけるのは簡単なことではありません。

今回、私は、マリアの人間性を元々知っていましたし、最初のヒアリングで、彼女の仕事に対する情熱を知ることができました。私にはピッタリの先生です。6回のレッスンと諸本で1,500ユーロを高いと感じるか、妥当と感じるかは、人それぞれでしょう。

それでも、もし、英語でのパブリック・スピーキングを学びたいと思われた方は一度、マリアにコンタクトをとってみてはいかがでしょうか?彼女は英会話の先生ではないので、英語は教えてくれません。なので、既にある程度英語をお仕事などで使われていて、スキルアップを望まれている方にはピッタリじゃないかなと思います。

契約前に1回、無料でヒアリングをしてくれるので、ご自分にあった先生かどうか、ご自身でお確かめになってみるのはいかがでしょうか?

Maria Tecce

彼女のSNSでは、パブリック・スピーキングやプレゼンに役立つ情報を無料で配信しています。これを見るだけでも随分役立ちますよ。